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2011年10月6日木曜日

国土地理院の10mDEMと50mDEM

いまさらという感じですが、DEMについてのお話です。


最近、各所で国土地理院の10mDEMが使われるようになってきました。
この解像度のDEMが全国で整備されているのは非常にありがたいことです。

自分の調査でも使えないかと思って、10mDEMをダウンロードしてきたのですが、ふと思い立って10mと50mDEMを比べてみることにしました。


こちらは543912の10mDEM

こちらは同じ場所の50mDEM

どちらも煩雑なので、道路は除いています。
広域で見ると、大きな違いはありません。
10mのほうが解像度が細かい分、よく見えます。


さて、こちらは上の画像を拡大した私の調査地の様子。
標高の色は見やすく変えています。どちらも対応する標高を同じ色で示している(つもりです)。

まずは10mDEM。
2万5千分1地形図の等高線をもとに作成されているはずですが、基盤地図情報の等高線と比較すると、なにやらおかしな模様が浮かんでいます。
これは明らかに空間補間の模様ですよね〜!?

こちらは50mDEM
基盤地図情報の等高線と比較しても、それなりに(まともに)見えます。


10mと50mのDEMはどちらも2万5千分1地形図をもとに作られています。
以下は10mと50mDEMの概要。

10mDEMの概要(基盤地図情報HPより)

3-5 標高点のうち「数値標高モデル」はどのように整備しているものですか?
イ)2万5千分1地形図の等高線データ等を基に作成したもの
2万5千分1地形図のデータを基に、地表での経度差、緯度差0.4秒(約10m)間隔のメッシュの中心点の標高をJPGIS形式で作成したもので、北方地域を除く全国について整備しています

3-6 数値標高モデルの水平位置の精度と高さの精度を教えてください。
3) 10mメッシュ(標高)は、地形図、火山基本図の等高線データを基に、指定する位置の標高を算出するため、水平位置については精度を考慮する必要がありません。
4) 10mメッシュ(標高)の高さの精度は、基となる等高線データの精度に依存します。
イ)2万5千分1地形図の等高線データ等を基に作成したもの
基本図測量作業規程により作成された2万5千分1地形図の等高線(高さ精度は5m以内)を用いて作成していますので、高さの精度は、標高点の標準偏差で5m以内となっています。なお、標高値の記載は0.1m単位となっていますが、1m単位で求めたものが有効値であり、小数点以下については参考値として格納しています。


50mDEMの概要(地図センターHPより)

数値地図50mメッシュ(標高)は、2万5千分1地形図の等高線から計測・計算し求めた数値標高モデル(DEM)です。収録されているデータは標高のみで、道路や行政界といったその他の地図要素は含まれません。
2次メッシュ(2万5千分1地形図の区画)を経度方向及び緯度方向に200等分して得られる格子(地図上約2mm四方)の中心点の標高値を記録しています。標高点の間隔は南北方向で1.5秒、東西方向で2.25秒となり、実距離で約50mとなります。
標高値は5桁の数値で記録(標高1000mであれば「10000」)されていますが、1桁目(0.1mの位)は0で切り捨てられており、最小単位は「m」となります。また、海部には「-9999」というコードが振られています。



10mDEMの概要にはどこにも空間補間とは書かれていませんが...
さて、あの模様は何なのでしょうか?
もしかして、等高線以外に標高点のデータも入れているのでしょうか?


標高の精度が5mということなので、今回の10mDEMの模様は誤差の範囲内なのでしょうが...

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